近年、ますますRPF(固形燃料)の需要が高まっています。RPFとは、古紙や廃プラスチック類といった廃棄物から作られる固形燃料のことです。RPFは石炭代替燃料とも呼ばれ、石炭や化石燃料の代替として利用されています。RPFは、「石炭やコークスと同等の熱量であることに加え、CO2排出量は化石燃料に比べ約33%削減できる」「石炭の4分の1から3分の1という低価格」など多くのメリットがある燃料です。
本記事では、RPFのニーズが増えている理由と、RPFに使用できる原料・RPFに使用できない原料を写真付きで分かりやすく解説します。加えて、環境のミカタのさらなるRPFへの取り組みも紹介しますので、企業のSDGs・環境保護を推進する排出事業者様はぜひ最後までご覧ください。
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目次
1.RPF(固形燃料)の需要が高まっている理由とは?
RPF(固形燃料)の需要が高まっている大きな理由に、ロシア・ウクライナの戦争などの影響による化石燃料の高騰が挙げられます。
【エネルギー市場価格の推移】
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第1節 世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰」
上記グラフは「エネルギー市場価格の推移」を示しており、2020年以降、各エネルギーの価格は変動しつつも右肩上がりであることが分かります。
エネルギー市場価格の変動から化石燃料も高騰しており、化石燃料の代替燃料として、RPFの需要が高まっているのです。国内では、製紙会社、鉄鋼会社といった多くの企業が化石燃料の代替として、RPFを必要としています。
▶︎RPF(固形燃料):古紙や廃プラスチック類といった廃棄物をリサイクルして作られる
こういった背景から、環境のミカタは「RPFのニーズ」に応えるべく、加えて、「地域社会の廃プラリサイクルへの貢献※」にさらに注力すべく、より一層RPF製造に力を入れていくことになりました。
そしてこの度、RPF工場を増設(第3工場を増設)するに至りました。
※プラスチックごみは、輸出規制により国内循環(リサイクル)への対応が急務とされています。各地域での廃プラリサイクルの必要性も高まっており、環境のミカタはこの大きな課題に積極的に取り組み続けています。プラスチックごみの輸出規制などについて詳しくは下記関連記事もご参考ください。
関連記事:プラスチックリサイクルの問題点は何?リサイクルの現状を確認しよう>>
2.【写真で解説】RPFに使用できる原料とは?
ここでは、「RPFに使用できる原料」と「RPFに使用できない原料」を写真付きで解説していきます。廃プラスチックは、すべてをRPFにできるわけではなく、RPFにできる原料とRPFにできない原料があります。
分別については厳密には事業者ごと異なるため、すべてを記載できませんが、大枠の分別をご案内します。
【写真で解説】RPFに使用できる廃棄物
RPFに使用できる廃棄物の一例
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・古紙類(特殊紙・粘着テープ・ロール状損紙・平判損紙・紙製容器包装 など)
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・熱可塑性樹脂(ポリプロピレン・ポリエチレン・ポリスチレン・ポリエチレンテレフタレート・PC・ABS・ナイロン・アクリルまたはこれらの材質の複合品 など)
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・熱硬化性樹脂(ポリウレタン)
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・木くず
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・繊維くず(畳・衣類)
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・動物性残さ(塩分を含まない乾燥しているもの)
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・汚泥
【写真で解説】RPFに使用できない廃棄物
RPFに使用できない廃棄物の一例
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・熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニール等)
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・熱硬化性樹脂(FRP・フェノール樹脂)
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・金属つきプラスチック
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・不燃物や混合品(金属、陶器など)
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・汚れやにおいの強いもの(油付きのウエス)
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・塩素濃度が高いもの(ゴム手袋、強度のあるプラスチックなど)
【RPFに適さないものが混ざるとどうなる?】
プラスチックの中でも、RPFの原料に適さない廃棄物は「塩素濃度が高いもの」です。
例えば、塩素の高いゴム手袋・合皮製品などが挙げられます。
塩素濃度が高いものがRPFに混ざってしまうと、RPFを燃料として使用する工場の機器が、塩素の影響で壊れてしまいます。つまり、こういった塩素濃度が高い廃棄物が混ざってしまったRPFは固形燃料として使えないのです。
適切なリサイクルには、正しい分別が欠かせません。排出事業者様、一人ひとりの正しい分別が、高品質のRPF製造(質の高い再資源化)につながり、環境保護の推進となります。
分別について不安な点や迷った際は、どんな小さなことでも環境のミカタの営業宛にご連絡ください。
また、一般社団法人 日本RPF工業会のWebサイトにもRPFの原料について記載がありますので、こちらも併せて参考にしてみてください。
3.まとめ ~一人ひとりの正しい分別で、さらなる環境保護へ~
今回は、RPFの需要増加の背景をお伝えするとともに、RPFに使用できる原料と、RPFに使用できない原料の違いを写真付きでご説明しました。
廃プラスチックは、すべてをRPFにできるわけではありません。廃プラスチックリサイクルへの取り組みで重要なのは、RPFにできる原料とRPFにできない原料を、正しく分別することです。
すべての排出事業者様の、一人ひとりが正しく分別を行うことで、再資源化の質を高められ、さらなる環境保護・SDGsの推進につなげられます。廃棄物の分別について不安な点や迷った際は、いつでも環境のミカタの営業宛にご連絡ください。
環境のミカタでは、廃プラリサイクルはサーマルリサイクルに加えて、マテリアルリサイクルも行っており、さまざまな業種の排出事業者様からの多種多様なグレードの廃プラを受け入れる体制を整えています。ケミカルリサイクルについても、協業先への運搬も実施しておりご案内が可能です。
また、環境のミカタは独自のネットワークによって全国70社以上の処分業社様と連携し、あらゆる廃棄物に対応しております。どんな業種の方へも、弊社の環境コーディネーターにより適切なご提案・ご案内ができますので、ぜひご相談ください。