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コラム
2024.04.30

廃プラスチックのリサイクル方法は?再利用すると何になる?

プラスチックは私たちの生活に欠かせない便利な素材ですが、その一方で大量の廃プラスチックが環境問題となっています。日本では年間約800万トンもの廃プラスチックが排出されており、そのリサイクル方法や再活用が課題となっています。

本記事では、日本における廃プラスチックのリサイクルの現状と課題、そしてリサイクル方法と再活用の内容について詳しく解説します。

廃プラスチックのリサイクルの現状

日本の廃プラスチックの総排出量は近年減少傾向にありますが、2021年でも824万トンに上ります。 一方で、廃プラスチックの有効利用率は増加しており、リサイクルの取り組みが進んでいることがわかります。

日本における廃プラスチックのリサイクルの現状

廃プラスチックの総排出量・有効利用率の推移

日本の廃プラスチックの総排出量は2021年で824万トンでした。 2005年の1,006万トンから比較すると200万トン削減されています。

一方、廃プラスチックの有効利用率は2021年で87%に達しています。 内訳はサーマルリサイクルが63%、マテリアルリサイクルが21%、ケミカルリサイクルが4%となっています。 2005年の有効利用率は58%でしたから、大幅に増加しているのがわかります。

廃プラの量は減っているものの、有効利用率が増えていることから、リサイクルできるプラスチックの量は増えているといえるでしょう。

参考:一般社団法人プラスチック循環利用協会

日本の廃プラスチックのリサイクルの課題

日本の廃プラスチックのリサイクルには、いくつかの課題があります。

まず、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの割合が低く、プラスチックをエネルギー以外の資源に再活用できていない点が挙げられます。 サーマルリサイクルが主流となっていますが、プラスチックの資源としての価値を十分に活かしきれていません。

また、2021年に廃プラスチックの輸出規制が始まり、海外への輸出ができなくなったことへの対応も必要です。 国内でのリサイクル体制の強化が求められています。

廃プラスチックのリサイクル方法と再活用の内容

廃プラスチックは適切にリサイクルすることで、エネルギーや新たな資源として再活用できます。 ここからは、そんな廃プラスチックのリサイクル方法について詳しく見ていきましょう。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルとは、廃プラスチックを燃やした時に発生する熱を、エネルギーとして再び活用する方法です。

サーマルリサイクルのメリット・デメリット

サーマルリサイクルは再資源化が難しい場合でもエネルギーとして活用でき、分別コストが比較的軽いのがメリットです。また、焼却時には化石燃料と比べて約33%もの二酸化炭素排出量を削減することが可能です。焼却することで体積も小さくできるため、埋立地のスペースを減らせるというメリットもあります。 ただ、燃料として焼却をするため、どうしても少なからず二酸化炭素を排出してしまいます。

サーマルリサイクルの具体例

環境のミカタでは、廃プラスチックや古紙を回収して固形燃料のRPFを作っています。RPFは石炭やコークス並みの熱量なので化石燃料の代替になるほか、取扱が簡単で低価格、品質が安定していることが特徴です。

RPFについて詳しくは以下のページをご覧ください。

新燃料「RPF」の社会・企業における意義は?使用できる廃棄物も解説

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルは、廃プラスチックから新たなプラスチック製品を作る方法です。 資源の有効活用や二酸化炭素排出量の削減などのメリットがありますが、分別コストがかかるなどの課題もあります。

マテリアルリサイクルのメリット・デメリット

マテリアルリサイクルは、廃プラスチックを原材料として活用するため、資源を守ることができます。 また、焼却灰を埋め立て処理したりする必要がなく、二酸化炭素の排出量も少ないのがメリットです。

しかし、異物混入などの問題から手作業での分別コストがかかったり、家庭ごみでは実施が困難だったりします。 加えて、リサイクルで作れる製品が限られるという点もデメリットといえるでしょう。

マテリアルリサイクルの具体例

以下の表は、代表的なマテリアルリサイクルの事例をまとめたものです。 使用済みのペットボトルやトレーなどが、新たな製品の原料として生まれ変わっています。

廃棄物 リサイクル後の製品例
使用済みペットボトル 作業着・ユニフォームなどの衣料品
使用済みペットボトルのキャップ ボールペンやクリアファイルなどの文房具
トレー・レジ袋など包装廃材 ゴミ袋・水切りネットなど

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的に処理して、原料や燃料として再利用する方法です。 マテリアルリサイクルでは再生が難しい廃プラスチックも処理できるのがメリットですが、コストなどの課題もあります。

ケミカルリサイクルのメリット・デメリット

ケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを原料の炭化水素やガスに分解して再利用する方法です。 廃プラスチック自体を原材料として再生できるため資源が守れたり、種類が違う廃プラが混ざっていてもリサイクルできたりする点がメリットです。

しかし、科学的な処理をするための施設の建設・維持コストが高かったり、処理のためのエネルギーが必要だったりする点がデメリットで、なかなか普及が進まない原因となっています。

ケミカルリサイクルの具体例

ケミカルリサイクルには様々な手法があります。 以下の表は、代表的なケミカルリサイクルの事例をまとめたものです。

油化 廃プラスチックを油に戻す
ガス化 廃プラスチックを気体化する
原料・モノマー化 分子レベルまで分解してプラスチックにする
コークス炉化学原料化 発電や高炉に使用できる
高炉原料化 鉄を作るために行われる
 

まとめ

この記事では、日本における廃プラスチックのリサイクルの現状と課題、そしてリサイクル方法と再活用の内容について解説しました。

廃プラスチックの総排出量は減少傾向にあるものの、依然として大量に排出されています。 一方で、リサイクル技術の進歩により有効利用率は向上しつつあります。

サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルといった手法で、廃プラスチックをエネルギーや新たな製品の原料として再活用できるようになってきました。

環境のミカタは廃プラスチックの回収を通じた循環型社会の実現に貢献しています。固形燃料RPFの生成にも積極的に取り組んでいるので、環境に配慮しながら廃プラスチックを処理したい企業様は是非ご相談ください。

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