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コラム
2023.11.21

【図説】ケミカルリサイクルとは?廃プラのリサイクル手法を解説します

事業者が排出する廃棄物の中でも多くの割合を占める、「廃プラスチック類」。プラスチックごみの排出量が多い日本では、廃プラのリサイクルへの取り組みが大きな課題になっています。

循環型社会を目指し、できるだけ環境に配慮した廃棄処理やリサイクルをしたいと考える企業は多いでしょう。

今回は、環境負荷の軽減に貢献しながら廃プラスチックの廃棄処理を行える、「ケミカルリサイクル」という手法をイラスト付きで解説いたします。

1. ケミカルリサイクルとは?

1-1.ケミカルリサイクルとは、廃棄物のリサイクル方法の一つ

ケミカルリサイクルとは廃棄物のリサイクル方法の一つであり、回収した使用済みの資源をさまざまな手法で化学的に分解し、製品の原料などに再利用します。

具体的には、廃プラスチックごみを油化して燃料として利用したり、ガス化してドライアイスや炭酸飲料のガスに活用したり、使用済みペットボトルを化学分解して原料に戻し再度PET樹脂にしたりといったことが挙げられます。

家畜の糞尿を化学反応によって組成変換し、バイオガス化するという処理もケミカルリサイクルの一種です。

1-2.リサイクルの工程で「化学的な分解」を行うのが、ケミカルリサイクル

プラスチックごみのリサイクル方法は、「ケミカルリサイクル」「マテリアルリサイクル」「サーマルリサイクル」の3種類に分けられ、それぞれの特徴は次の通りです。

  • ・ケミカルリサイクル:化学の力で廃棄物を燃料や化学工業原料に変え再利用

  • ・サーマルリサイクル:廃棄物を焼却する時に発生する熱エネルギーを回収し再利用

  • ・マテリアルリサイクル:廃棄物を原料の状態に戻して再利用し新しい製品へと再生

ケミカルリサイクルで原料となる廃棄物の例

ポリ塩化ビニール/ゴム手袋/不飽和ポリエステル樹脂/フェノール樹脂/混合品/など

※マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルが難しい廃棄物にも対応可能

サーマルリサイクルで原料となる廃棄物の例

合成繊維のくず/発泡スチロール/PPバンド/食品容器/ペットボトル/事務用品/包装プラスチック/アルミ蒸着紙

ロール上損紙などの紙くず/乾燥茶葉などの動植物性残さ/木材工場廃材などの木くず/畳などの繊維くず/など

マテリアルリサイクルで原料となる廃棄物の例

ペットボトル/ビニール/不織布/などの単一素材

なお、ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルは両方とも、使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生(ボトルtoボトル)が可能ですが、再生工程などに違いがあります。

プラスチックごみの各リサイクル方法については、下記記事でくわしく解説していますのでご参考ください。

プラスチックをリサイクルすると何になる?具体的なリサイクル方法を解説 >>

2. ケミカルリサイクルのメリット

欧州の廃プラスチック問題やSDGsへの関心の高まりにより、ケミカルリサイクルへの国際的な関心が強くなっています。国内でも注目が高まっているケミカルリサイクルの主なメリットは次のとおりです。

  • ・CO2排出量を削減できる

  • ・異物の混合や汚れがあってもリサイクルできる

  • ・限りある天然資源を有効活用できる

2-1. CO2排出量を削減できる

脱炭素社会を構築するためには、廃プラスチック類のリサイクル工程で排出される二酸化炭素を軽減していく必要があります。ケミカルリサイクルは、CO2削減効果の観点において優れているケースであることが報告されているため、環境保全につなげられる手法といえるでしょう。

参考:(財)日本容器包装リサイクル協会が行ったプラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等の検討

2-2. 異物の混合や汚れがあってもリサイクルできる

ケミカルリサイクルでは資源となる廃プラスチックに異なる素材や不純物、汚れが残っていてもリサイクルが可能です。なぜなら、ケミカルリサイクルでは高温での熱分解、あるいは化学的な分解といった処理工程で異物を取り除くことができるためです。

マテリアルリサイクルではプラスチックの複合品や異物、汚れがあると再生がむずかしいケースがあるため、ケミカルリサイクルはこういった課題をフォローできる手法でもあります。

2-3. 限りある天然資源を有効活用できる

ケミカルリサイクルでは、廃プラスチックを水素やメタノール、アンモニア、酢酸といった化学工業に使われる原料へも変換が可能です。変換された原料は、製鉄所でフォーミング抑制剤や加炭材として利用されています。

従来は石油などの天然資源から作っていた原料を、ケミカルリサイクルによって再資源化することで、限りある天然資源の消費を抑制できます。

3. 「プラスチック問題を解決したい。」資源の循環に尽力する環境のミカタ

排出事業者様からお預かりした廃プラスチック類は、環境のミカタの適切なリサイクルにより原料化や固形燃料化し、再生資源として生まれ変わります。

廃プラスチック類の再資源化の例

 \このような資源に生まれ変わります/

・RPF(固形燃料)・再ペレット・温水プールや温浴の発電に使用する熱エネルギー・燃料など

私たち環境のミカタグループは7つの自社工場を保持し、さまざまなリサイクルや中間処理に取り組んでいます。

マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルによる廃プラの再資源化に加え、独自に構築したさまざまなネットワークにより、ケミカルリサイクルを行う協業先への運搬も実施しております。

【環境のミカタ自社工場・アースプロテクションセンター】

  主なリサイクル施設/リサイクル概要
第1工場

固形燃料(RPF)製造施設(サーマルリサイクル)

■「大型破砕機」による廃棄物の破砕・減容

第2工場

固形燃料(RPF)製造施設(サーマルリサイクル)

ペレット製造施設(マテリアルリサイクル)

■容器に入ったままの廃液の破砕分離施設■廃酸・廃アルカリの中和施設

第3工場

■廃棄物の容積を減容させる圧縮施設

■再生資源として販売できる有価再生品やRPF原料の圧縮

■廃棄物の切断を行う切断施設

+

【新設中】

固形燃料(RPF)製造施設 2024年3月稼働予定!

相川工場

■混合廃棄物の中間処理施設

■空き缶ペットボトルの圧縮リサイクル施設

高柳リサイクルセンター

■袋入りの生ごみや缶詰等の破砕分離施設

■汚泥・動植物性残さ等の肥料化リサイクル施設

■発酵ガスの段階的無臭化施設

参考:環境のミカタ公式HP 事業紹介 「リサイクル事業」

環境のミカタはリサイクルを通し、限りある資源を循環させていくとともに、地域の自然環境の保護を推進していきます。

4. まとめ 〜適切なリサイクルで環境負荷の軽減に貢献しよう〜

今回は、プラスチックごみの3つのリサイクル手法の中から、「ケミカルリサイクル」をご紹介しました。
事業者様が排出する廃プラスチックも、適切な処理を行うことで化学工業の原料やプラスチック製品の原料といった再生資源に生まれ変わります。
全国に広がる処分業社様とのネットワークを活用し「ケミカルリサイクル」処理のご提案も可能です。
自社工場では廃プラスチック類のサーマルリサイクルやマテリアルリサイクル(再生ペレット製造)も行っております。

取引先のさまざま業種の排出事業者様から、多種多様なグレードの廃プラスチックを受け入れる体制を整えており、幅広いリサイクルに対応しているため、収集した廃プラスチックをむだなく循環できます。

また、環境のミカタでは、廃プラスチックごみのリサイクル課題に積極的に取り組むために、現在アースプロテクションセンター第3工場に新たな固形燃料(RPF)製造施設を増設中です。
循環型社会の実現に貢献するため、固形燃料RPFの製造にもこれまで以上に積極的に取り組んでまいります。
「環境に配慮した廃棄物処理をしたい」という方は、ぜひ環境のミカタへお気軽にご相談ください。

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