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コラム
2022.12.14

飲食店の臭いで苦情を出さないためにはどうしたらいい?具体的な対策をご紹介

お店の前を通るといいニオイがして、ついそのお店に入りたくなってしまうことはありますよね。しかし、いくら美味しそうなニオイでも、それが毎日続く隣近所の住宅や店舗にとっては、迷惑になることがあります。

洗濯物や布団にニオイがついてしまうと店舗へのクレームになり、お店のイメージが悪くなってしまいます。悪臭や強いニオイは法律で規制されていることから、飲食店ではニオイ対策が必要です。

そこでこの記事では、ニオイに関する苦情の内容や悪臭に関する法律をご紹介します。具体的なニオイの対策方法も取り上げているので、これから店舗開業される方はもちろん、お店を運営されている方も参考にしてみてください。

飲食店のニオイの苦情はどういったものがある?

飲食店にはさまざまなジャンルがありますが、どのようなニオイに苦情が多く寄せられるのでしょうか。苦情が出やすい傾向にあるニオイについてご紹介します。

苦情の内容

以下は、環境省がまとめたジャンル別の「飲食業の悪臭苦情ランキング」の調査結果です。

苦情の内容には、油のニオイや魚の生臭さ、ゴミのニオイ、排水回りのニオイなどがありますが、特に油を多用する飲食店が上位に入っています。油が臭う要因には、直接外気へ排出していることが考えられます。

また、ゴミがにおう原因は回収するまでの期間が長いことや、腐りやすい生ものが含まれていることなどが考えられます

ほかに苦情が出やすい要因に、立地や建物の位置が関係することがあります。例えば1階に商業施設が入り上階が住居のビルのように、住宅と商業施設が近接しているエリアでは、ニオイに関するクレームが出やすくなります。

ニオイに関する法律や規定はある?

ニオイは、生活環境の保全のため悪臭を拡散させないよう「悪臭防止法」によって規制されています。違反すれば罰則の対象になるため、飲食店を含めた事業者はニオイを出さないよう対策しなければなりません。

悪臭防止法では22種の特定悪臭物質が指定されており、これらが原因で出るニオイは悪臭とみなされます。この悪臭の基準や規制地域は、都道府県や市町村、または特別区ごとに定められているので、各地域の定める内容を確認しましょう。

悪臭防止法|環境省 >>

飲食店のニオイ対策の進めるときのポイント

飲食店は、ニオイの原因を調べ、発生を抑えるよう対策を取らなければなりません。特にニオイの強いメニューを提供する店舗の場合は要注意です。ニオイ対策を行うにあたって、取り組むときのポイントをご紹介します。

ニオイが発生しているかを確認する

まずは、店舗からニオイが発生しているかどうかを確認しましょう。普段からニオイの発生源近くにいると慣れてしまうため、わずかなニオイだと気付きにくいかもしれません。しかし少しのニオイでも、近隣住民からのクレームになる可能性があります。

店舗の周辺を2〜3名で歩き、どの辺りでどのくらいのニオイがするのかを確認してください。仕込み作業時や営業時間中などと時間を変えて調査を行い、ニオイの有無や強弱を確認します。ニオイが少しでも感じられれば、記録しておきましょう。

ニオイの元から断つ

ニオイが発生しているところを確認したら、ニオイを元から断つことができないか検討してみましょう。そのためには、こまめな清掃や片付けが大切です。

調理作業によってニオイが漏れている場合は、店舗の窓や出入り口を開けっ放しにしないように注意します。排水からのニオイ対策には、排水溝の清掃やエアレーションタンクの散気装置の交換などが効果的です。

なかでもグリストラップの清掃は自分たちで日々行うことに加え、定期的に業者に依頼できると清潔な状態を保ちやすいでしょう。普段掃除できない場所にニオイの元がある場合でもアプローチできるほか、清潔に保つためのコツを教えてもらえるかもしれません。

また、ゴミがニオイの元になっている場合、ゴミを保管しておく容器の密閉化やゴミ置き場の掃除、回収委託業者に早めに回収してもらうなどの対策ができます

ニオイをできるだけ薄める

もしニオイの元を断つことが難しければ、可能な限り薄める工夫をしましょう。ニオイは排出元から離れるほど感じにくくなるため、近隣の建物よりも高い場所や風通しのよい場所から排出すれば薄めることができます

また、同じ強さのニオイでも排気口の位置が高いと苦情が出にくく、低いと増えやすい傾向にあります。排気口の向きや位置を変える場合、アパートやマンションの窓に向けないように配慮し、近くの建物からなるべく遠ざけるように気を付けてください。

脱臭装置を使って取り除く

ダクトや換気扇の位置を変えられない場合や、両側を高いビルに挟まれているような建物の場合、脱臭装置を使ってニオイを取り除く方法があります。強烈なニオイを放つ飲食店の場合にもおすすめです。

ニオイ対策設備には、脱臭装置と油煙除去装置があります。脱臭装置には、フィルター交換タイプのものや、ニオイ成分を燃焼させて脱臭するタイプなどがあります。油煙を多く含む場合は、脱臭装置では取り除くことが難しい可能性があるため、専用の除去装置が必要です

店舗で出るニオイの種類に応じて、検討できるとよいでしょう。

飲食店のニオイの具体的な対策方法

飲食業ができるニオイ対策の方法をご紹介します。自店舗だけでは取り組みが困難なものもあるので、専門業者もうまく活用するとよいでしょう。

清掃やメンテナンスを行う

まずは清掃やメンテナンスを行いましょう。清掃場所やメンテナンスのポイントとしては、以下のものがあります。

  • ・排気ダクトを清掃する

  • ・床や壁面を清掃する

  • ・事業場全体を清潔に保つようにする

  • ・ニオイの発生源になるものを屋外に置かない、など

特に油をよく使う飲食店の場合は、汚れがダクト内にたまりやすくなります。汚れたダクトを通ると排気のニオイがひどくなってしまうため、定期的に業者に依頼するとよいでしょう。

このほか、店舗環境の整備として脱臭装置を設置する方法もあります。さまざまな種類があるため、発生する臭気の種類や性質、濃度、設置スペースなどを踏まえて選ぶようにしましょう。

排出口の高さや向きを変える

排出口の高さや向きを変更することも、ニオイ対策になります。注意したいポイントは以下です。

  • ・住宅の窓やビルの吸気口に排気口を向けない

  • ・排気を拡散させる

周りに高い建物がなければ、ダクトを屋上まで上げることで排気を拡散でき、改善が見られる場合もあります。

また油を多用する飲食店では、水フィルターの設置は一つの有効な選択肢です。水フィルターは、排気の中に含まれる油脂を除去できる装置のこと。一般的なフィルターに比べ、多くの油脂をカットできるため、火災対策にも効果的です。

ニオイが発生する作業の見直し

仕込みや調理、ゴミ回収といった、ニオイが発生する作業そのものを見直すこともニオイ対策につながります。例としては、ラーメン店でスープの仕込み時に発生するニオイを防ぐために、仕込みの作業頻度を減らしたり、時間帯を変えたりする対応が挙げられます。

  • ・加工温度などの条件の変更

  • ・においが発生する工程を別の場所で行う

  • ・作業を行う時間帯を変更する

  • ・作業場から臭気が漏れないようシャッターや窓を取り付けたり、開け閉めに注意したりする

また、ゴミのニオイについては容器を密閉化したり、保管温度を低く設定したりすると、ニオイ発生の予防になります。ゴミの長時間保管が原因の場合、回収頻度を増やす、時間をずらすなど回収を委託している業者に相談してみるのも一つの方法です。

飲食店のニオイと苦情のまとめ

飲食店は近隣の迷惑にならないよう、ニオイを減らす配慮をしなくてはなりません。法律で規制されているからという理由だけではなく、ニオイの苦情が増えると店舗のイメージが悪くなり、経営が難しくなってしまうことも考えられます。

飲食店から出るゴミのニオイが気になるなら、環境のミカタにぜひご相談ください。ゴミの回収や処分はもちろん、グリストラップ清掃も行なっており、ゴミに関するお悩みを解決・改善に向けてサポートいたします。

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