企業が廃棄物を排出する際、「どういった基準で委託事業者を選ぶべきか分からない」「業者が多すぎて選べない」と悩む担当者は非常に多いです。環境省によると、産業廃棄物の事業者数はおよそ1.2万者にのぼるとされており、委託業者選びに頭を抱える方が多いのも当然といえるでしょう。
そこで今回は、廃棄物を適正に処理したい排出事業者に向けて、法人が産業廃棄物の委託業者を選ぶポイントや注意点、排出事業者のリスク面についてくわしく解説いたします。
最後までお読みいただけると、産業廃棄物委託業者の選ぶ基準が分かり、企業リスクを回避しながら適正処理ができるようになります。委託業者選びにお悩みの排出事業者の方はぜひご覧ください。
目次
1.【法人向け】産業廃棄物処理の委託業者の選び方5つのポイント
産業廃棄物排出事業者が委託事業者を選ぶポイントは次の5つです。
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・許可を取得しているか
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・優良認定を受けているか
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・処理料金は適切か(極端に安すぎないか)
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・処理施設の確認が可能か
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・リサイクルへの取り組みを積極的に行っているか
順番に解説していきます。
1-1. 許可を取得しているか
産業廃棄物の委託業者は、収集運搬のみを行う場合には「産業廃棄物収集運搬業許可」だけ取得していれば問題ありませんが、収集運搬と処分を自社で行う場合には「産業廃棄物処分業許可」と「産業廃棄物収集運搬業許可」の両方を取得している必要があります。
加えて、委託業者の許可の中に、対象となる廃棄物の品目が含まれている必要があります。県によって許可されている品目が異なる場合が多いため、事業者の許可に自社が依頼したい品目(廃棄物の種類)の許可があるかどうかを確認しましょう。
品目については、公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団の産業情報ネット、または業者から許可証の写しをもらい確認しましょう。委託業者を選ぶ際には、「許可」だけでなく「品目」も必ず確認することを覚えておいてください。
1-2. 優良認定を受けているか
委託業者が優良認定を受けているかという点も選定基準のひとつとなるでしょう。優良認定とは、通常の許可基準よりも厳しい基準をクリアし、行政に認められた産業廃棄物処理業者が受けられる認定のことです(正しくは、優良産廃処理業者認定制度といいます)。
全国の産業廃棄物の事業者数1.2万者のうち、優良認定業者はおよそ1千者とかなり限られた事業者だけが認定を受けています。
排出事業者が優良認定業者を利用するメリットとしては、条例で義務付けられている「実地確認」や「県外産業廃棄物の搬入の事前協議」が免除となる点です。※
※全国の多くの自治体(都道府県・政令指定都市・中核市)が、県外で発生した産業廃棄物の搬入について、事前協議を行う制度を設けています。
1-3. 処理料金は適切か(極端に安すぎないか)
廃棄物処理を委託する際、どの企業も「なるべくコストを抑えたい」と考えるものです。しかし、極端に安価な業者には注意が必要です。なぜなら、廃棄物処理を適切に行うにはそれなりのコストが発生し、処理料金を大幅に引き下げることは不可能なためです。
安価な業者にはコストを引き下げられる理由があるとされ、不法投棄をしている恐れもありますので、適正料金かどうかは大切な見極めポイントとなります。
1-4. 処理施設の確認が可能か
適正処理を行っている委託業者の処理施設は、実際に見学が可能です。不正を行っている業者の中には、処理施設の実態がなく見学不可としているケースもあるため、施設確認は実施しましょう(なお、自治体によっては実地確認を義務として定めています)。
処理施設(工場)を見学する際には、信頼できる委託業者かどうかの判断をするために多くのチェックすべき項目があります。静岡県のホームページでは、「産業廃棄物処理の委託先の実地確認におけるチェックシート例」を公開していますのでこちらもご参考ください。
静岡県公式サイト「産業廃棄物処理の委託先の実地確認におけるチェックシート例」
1-5. リサイクルへの取り組みを積極的に行っているか
廃棄物の排出事業者はリサイクルに取り組む委託業者を選ぶことで、環境負荷の軽減に貢献しながら企業価値を高められます。
リサイクルに取り組む委託業者を見極めるには、次のポイントをチェックし選定しましょう。
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・リサイクル技術は高いか?(技術の有無が再生資源の品質に直結するため)
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・二酸化炭素の削減に貢献しているか?
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・クリーンエネルギー※は利用しているか?
※クリーンエネルギーとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを排出しない、または排出量を抑えたエネルギーを指します。
2.法人が業者選びを誤るとリスクがともなうため、注意が必要
企業が廃棄物を排出する際、業者選びを間違えると企業リスクがともなうため注意して選定しましょう。実際に、「機械が壊れたとの理由から、急にゴミを受け付けてもらえなくなった」「実は不法投棄していた」といったトラブルが報告されています。
万が一、産業廃棄物処理業者の選定を誤ると、排出事業者に対し「注意義務違反」や「措置命令」が出されることも。
参考:環境省 財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団「産業廃棄物を排出する事業者の方に」
懲役刑・罰金刑といった罰則や、行政および警察からの事情聴取、社名が公表されるといったリスクもあるため、業者選びは注意して行うべきでしょう。なお、排出事業者が廃棄物処理を委託する場合は、「書面での契約締結」が法律上必要となり、委託業者は「マニフェスト対応」が必須であることも覚えておきましょう。
【賠償金や刑罰の例】
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◎委託業者が不法投棄をしていた場合 法人においては、3億円以下の罰金(廃棄物処理法32条の1違反)
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◎無許可業者に産業廃棄物処理を委託した場合 5年以下の懲役、もしくは1千万円以下の罰金、またはこれらの併科(廃棄物処理法25条違反)
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◎処理委託契約書を締結せずに委託した場合 3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科(廃棄物処理法26条違反)
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◎マニフェストを交付せず産業廃棄物を引き渡した場合 1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金(廃棄物処理法27条の2違反)
3.優良認定の産業廃棄物処理事業者に依頼するメリット
排出事業者が優良認定業者を利用するメリットは、条例で義務付けられている「実地確認」や「県外産業廃棄物の搬入の事前協議」が免除となる点です。
加えて、環境省もすすめているように、排出事業者は優良認定業者を利用することで適正処理を行うことができ、罰則などのリスクも回避できます。これらは大きなメリットといえるでしょう。
参考:環境省 財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団「優良産廃処理業者認定制度を活用して適正処理を進めましょう」
また、弊社のように優良認定を受けていて、かつ、自社工場でリサイクルを実施している業者を利用することで、排出事業者はSDGsを推進できます。その理由は、リサイクルを自社工場で実施できると、運搬による二酸化炭素排出を削減できるだけでなく、リサイクル率を向上できるためです。
SDGsへの取り組みは、企業価値向上経営を目指す企業にとって重要な要素であり、こうした取り組みを行う企業は国内外で年々増加しています。こういった背景もあり、リサイクルを積極的に行っている優良認定業者に委託することで、自社(排出事業者)の企業価値も高められるでしょう。
3-1. 実績豊富な「環境のミカタ」への委託なら、1社で完結!
環境のミカタは複数のリサイクル工場を保有し、廃プラスチックなどの産業廃棄物のリサイクル課題にも積極的に取り組んでいます(マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルによる再資源化を行っています)。
加えて、私たちの工場では、クリーンエネルギー利用による工場高圧電力のCO2フリーを実現しているため、排出事業者は環境負荷の軽減に貢献しながら適正処理を行うことができます。廃棄物処理の実績も豊富で、処理施設の受入能力、収集車両および従業員数も十分にあるため、安心して利用していただけます。
また、長年のネットワークにより幅広い廃棄物への対応が可能です。排出事業者は複数の業者を手配する必要がなく環境のミカタ1社で完結するため、廃棄物の依頼はぜひ環境のミカタにお任せください。
4.まとめ 〜関東エリアの産業廃棄物も「環境のミカタ」が適正処理へ〜
今回は、委託業者を選ぶ際のポイントや注意点、リスク面などをご紹介しました。法人が廃棄物の委託業者を選ぶ時は、リスクを避けるためにも、優良認定を受けている事業者の中から選定できるとよいでしょう。
優良認定業者である環境のミカタは、さいたま市に収集運搬拠点があり、2023年秋には東京に営業所を新設するため今まで以上に関東圏の廃棄物回収に対応できるようになります。
関東拠点を経由してまとめて輸送できる仕組み(コストをおさえる仕組み)をフル活用し、関東エリアの排出事業者の適正処理をより一層支援してまいります。
自社工場では、2つのICが近いことも運搬コストを安くできる理由のひとつなので、関東エリアの法人さまで、
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・廃棄物を適正処理したい
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・コストを抑えたい
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・今の委託料が適正価格か比較したい
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・1社で済ませたい
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・リスクヘッジとして委託業者を検討したい
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・再資源化(リサイクル)を推進し、企業価値を高めたい
という排出事業者の方は、ぜひ環境のミカタへお気軽にご相談ください。