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コラム
2024.06.12

産業廃棄物のリサイクルが重要な理由と事例・メリットについて解説

私たちの身の回りにある製品やサービスの裏側では、日々、多くの産業廃棄物が排出されています。 産業廃棄物を適切に処理することは、環境保護の観点からも、企業の社会的責任を果たす上でも非常に重要です。

本記事では、産業廃棄物のリサイクルの重要性やメリット、具体的なリサイクル方法、注意点などを解説していきます。

産業廃棄物のリサイクルが重要な理由

産業廃棄物のリサイクルは、地球環境の保全や資源の有効活用など、多くの利点をもたらします。 ここでは、産業廃棄物のリサイクルが重要な理由について詳しく見ていきましょう。

埋立地には限界がある

2020年度の環境省のデータによると、産業廃棄物の最終処分場の残余年数は17.3年となっています。これは、このままのペースで産業廃棄物が増え続けると、あと17.3年で国内の最終処分場が満杯になってしまうことを意味します。 このままの状況が続けば、いずれ最終処分場は限界を迎え、埋め立てができなくなる可能性があります。リサイクルによって産業廃棄物を減らすことは、最終処分場の延命に繋がり、持続可能な社会の実現に貢献します。

画像引用:環境省|令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

限りある資源の有効活用

地球上の資源には限りがあります。 特に、石油や石炭などの化石燃料は、一度使い果たしてしまうと再生までに非常に長い時間がかかるため、限りある資源として大切に使う必要があります。

産業廃棄物を適切にリサイクルすることで、これらの資源を有効活用し、新たな製品の原料として再利用することができます。 リサイクルは、資源の枯渇を防ぎ、将来世代に豊かな地球環境を引き継ぐために不可欠な取り組みです。

自然環境への影響を減らす

産業廃棄物は、焼却処分時に有害物質を排出したり、土壌や水質を汚染したりするなど、地球環境に深刻な影響を与える可能性があります。

産業廃棄物をリサイクルすることで、焼却処分や埋め立て処分を減らすことができ、環境への負荷を軽減することができます。 地球温暖化や大気汚染などの環境問題が深刻化する中、産業廃棄物のリサイクルは、自然環境への悪影響を抑え、持続可能な社会を構築するために不可欠です。

産業廃棄物のリサイクル例

産業廃棄物は、その種類によって様々な方法でリサイクルされています。ここでは、代表的な産業廃棄物のリサイクル例を5つご紹介します。

廃プラスチック

廃プラスチックは、私たちの身の回りで多く使用されているプラスチック製品が廃棄されたもので、ビニールくずや発泡スチロールくずなどが挙げられます。 廃プラスチックは、適切に処理することで、衣類やカーペット、土木建築資材などにリサイクルできます

また、化学処理によって分解し、化学製品の原料やガス、油などにも生まれ変わります。 廃プラスチックのリサイクルは、資源の有効活用だけでなく、地球温暖化防止にも貢献します。

廃プラスチックのリサイクル方法は?再利用すると何になる?

汚泥

汚泥は、排水処理や製造業生産工程で排水された泥状のものなどをいいます。産業廃棄物の中で最も多い割合を占めており、その処理方法が課題です。

汚泥は脱水や乾燥、混練などの処理をすることで、セメント原料や補助燃料としてリサイクルされます。リサイクルすることで、最終処分場の延命化や資源の有効活用に繋がるだけでなく、焼却処分による二酸化炭素の排出量削減にも貢献できます。

木くず

木くずは、木材や木製品製造業やパルプ製造業から生じるもので、木材の端材や廃材、樹皮などが挙げられます。 木くずをリサイクルすると、サーマル用チップ、マテリアル用チップ、チップダストとして燃料や原料となります

さまざまなチップ類は、建材や紙として再製品化されたり、セメント製品などとして再資源化されたりします。 木くずのリサイクルは、森林資源の保全や地球温暖化防止に繋がるだけでなく、循環型社会の形成にも貢献します。

金属くず

金属くずは、製造業や建設業、家庭から排出される金属製の廃棄物のことで、空き缶や金属スクラップなどが挙げられます。 産業廃棄物の中から精錬によって鉄やアルミニウム、銅などの金属を取り出して再利用します。 金属くずのリサイクルは、天然資源の節約やエネルギー消費の削減に繋がるだけでなく、地球環境の保全にも大きく貢献します。

廃油

廃油は、工場や自動車整備工場などから排出される使用済みの油のことで、鉱物性油、動植物性油脂、ハイ潤滑油などが挙げられます。 廃油は、リサイクル工場で処理することで、潤滑油、重油、補助燃料として再利用されます。 廃油のリサイクルは、資源の有効活用に繋がるだけでなく、不法投棄による土壌や水質汚染の防止にも役立ちます。

産業廃棄物をリサイクルするメリット

産業廃棄物をリサイクルすることは、企業にとっても多くのメリットがあります。 ここでは、産業廃棄物をリサイクルするメリットを2つご紹介します。

企業のイメージ向上につながる

近年、企業の社会的責任(CSR)が重視されるようになり、環境問題への取り組みは企業にとって重要な課題となっています。廃棄物のリサイクルに取り組むことで、社会貢献ができ、資源リサイクルに積極的な企業としてアピールできます

事例1:日本マクドナルド株式会社

マクドナルドでは使わなくなったハッピーセットに付属するおもちゃを店頭の回収BOXに入れると、店舗で使用するトレーにリサイクルできるプロジェクトを実施しています。ちなみに、このプロジェクトで作られたトレーは緑色になっているので、店舗に訪れた際にリサイクルの成果が確認できる点でもイメージ向上につながっている事例です。

参考:日本マクドナルド株式会社

事例2:日本コカ・コーラ株式会社

コカ・コーラのペットボトルのリサイクルPET樹脂の使用率は28%(2020年)に到達し、2030年までに石油由来原料の使用をなくすと発表しました。ペットボトルのリサイクル問題ひいては環境問題に向き合っていることがわかる事例です。

参考:日本コカ・コーラ株式会社

処理費用を削減できる場合がある

産業廃棄物が出る企業にとって、処理費用は大きな負担となります。

廃棄物の量が多い企業ほど、処理費用も高額になりがちですが、一部の資源(未使用廃棄品)は買取できるケースもあり、処理コストを削減することができます。例えば、プラスチック製品の製造過程で出る端材をマテリアルリサイクルとしてペレット化(原料化)することが可能です。

また、廃棄物の分別を処理業者に依頼するのではなく、自分たちで行うことで処理費用を削減できる場合もあります。ただ自分たちで分別を行う際には、発火の原因となる廃棄物の混在に特に注意が必要です。リチウムイオン電池や電子タバコなどが混在することで、処理業者の工場で火災などの災害に発展したケースがあります。分別についてはきちんと実行しましょう。

産業廃棄物をリサイクルするときの注意点

産業廃棄物をリサイクルする際には、いくつかの注意点があります。 自社で処理を行う場合でも、外部に委託する場合でも、法令遵守の徹底が求められます。 ここでは、産業廃棄物をリサイクルするときの注意点を3つご紹介します。

許可を得ているか確認する

リサイクル事業は誰でもできるわけではなく、事前に許可を得る必要があります。

産業廃棄物をリサイクルする場合、産業廃棄物収集運搬業や処分業の許可を得ている必要があります。 産業廃棄物収集運搬業や処分業の許可を得ている信頼できる業者を選びましょう。

法人が廃棄物の委託業者を選ぶポイントとは?優良な業者を選びリスクを回避しよう

契約書を結ぶ

産業廃棄物の収集や運搬、処理を外部に委託する場合、収集運搬業や処分業者とそれぞれ書面で委託契約を交わす必要があります

契約書には許可書の写しを添付し、許可書に期限が切れていないかを確認する必要があります。 なお、産業廃棄物の処理が終了してから5年間は契約書を保管しておくことが義務づけられているので、破棄しないようにしましょう。

マニフェストを用意する

産業廃棄物をリサイクルする場合は、マニフェストを用意する必要があります

マニフェストとは、産業廃棄物の種類や数量、運搬先などを記載した書類のことです。 マニフェストは、排出業者の責任を明確にし、処理の流れを把握し、不法投棄を防ぐ目的を兼ねています。

収集、運搬、リサイクル処理の工程ごとに処理の報告を受け、委託した産業廃棄物が適正に処理されたことを確認できる仕組みになっています。 近年では、電子マニフェストの利用も普及しており、より効率的かつ正確な情報管理が可能になっています。

まとめ

この記事では、産業廃棄物のリサイクルの重要性やメリット、具体的なリサイクル方法、注意点などを解説しました。

産業廃棄物のリサイクルは、地球環境の保全、資源の有効活用、企業イメージの向上など、多くのメリットがあります。 環境のミカタは、お客様にとって最適なリサイクルプランをご提案し、産業廃棄物の削減とリサイクルを推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。

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