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コラム
2024.12.17

子どもの笑顔を支える特別な医療チームの一員「ファシリティドッグ」

病院で闘病中の子どもたちを支える「ファシリティドッグ」は、医療チームの一員として子どもたちに寄り添い、治療をサポートする犬のことです。 米国発祥の取り組みで、日本では認定NPO法人シャイン・オン・キッズという団体が活動しています。国内では初めて2010年に静岡県立こども病院で導入され、現在は4つの病院で活動中です。 今回は、ファシリティドッグの活動内容や特徴、育成方法などを詳しく見ていきましょう。

「ファシリティドッグ」とは何?

ファシリティドッグとは、医療チームの一員として活動するために、幼少期から専門的なトレーニングを受けている特別な犬のことです。

欧米ではすでに多くの活動事例がありますが、日本でファシリティドッグの活動が初めて行われたのは、2010年の静岡県立こども病院です。 その後、2024年時点では、4つのこども病院でファシリティドッグが活動しています。

ここでは、ファシリティドッグプログラムについて、詳細を紹介していきます。

ファシリティドッグプログラム

ファシリティドッグプログラムは、認定NPO法人シャイン・オン・キッズによって行われています。小児がんのような重い病気で長期入院している子どもたちに寄り添い、治療を支えるために活動しています。

患者さんが治療に対して前向きになったり、食欲やリハビリが促進したりなど、子どもたちとその家族の療養生活を心の面からケアすることが目的です。

専門的なトレーニングを受けた犬と、臨床経験のある看護師(ハンドラー)がペアとなり、医療チームの一員として特定の病院に常勤します。臨床経験があるハンドラーだからこそ、一人ひとりの患児の病状やニーズを把握でき、医師をはじめとする医療従事者と協働できるのです。

ちなみに、ファシリティドッグとハンドラーは、現場以外でも生活をともにしています。

主な活動内容

ファシリティドッグの主な活動としては、以下のようなものがあります。

  • ・ベッドでの添い寝

  • ・薬が飲めない、食事がすすまないときの応援

  • ・採血・点滴確保の際の応援

  • ・手術室、検査や治療への付き添い

  • ・リハビリの応援

  • ・本人、きょうだい、家族のケア

ファシリティドッグとふれあうことで、子どもたちの心が安らぎ、表情が和らぐといいます。その結果、怖い治療を乗り越えられ、手術にも頑張って向き合えるようになったという声も聞かれています。

定期的な訪問ではなく、病院に常勤している点も特徴です。長い時間をともにすることで、子どもたちとファシリティドッグの間には強い絆が生まれやすくなります。

また、子どもだけでなく家族のケアも行い、安心感や癒しを与える効果があります。

病気とたたかう子どもたちを支える「シャイン・オン!キッズ」の取り組み

画像引用元:ミッションとこれまでの歩み

日本でファシリティドッグの活動を推進しているのが、認定NPO法人シャイン・オン・キッズです。 2019年には、日本初となるファシリティドッグの育成事業に着手しました。

「入院中の子どもたちを笑顔に」をミッションに掲げ、ファシリティドッグ以外の活動も精力的に行っています。詳しく見ていきましょう。

ファシリティドッグ育成事業

シャイン・オン!キッズが行うファシリティドッグ育成事業は、国際基準に基づく日本初の取り組みです。プログラム開始当初の2009年は、国内に基準を満たした育成機関がなかったため、アメリカの育成団体とパートナーシップを結んでスタートしました。2024年時点で、ファシリティドッグプログラムおよび育成事業に携わるスタッフが8名在籍しています。

育成事業は、専属ドッグトレーナーと監修ドッグトレーナーによって行われます。約2年間にわたる、犬たちの個性に合わせたトレーニングです。

ファシリティドッグ候補の犬たちは専任トレーナーとともに、病院内での活動に必要な社会性や100個のキュー(合図)、特定のスキルを身につけます。最終的には、病院でフルタイムで活動するための適正があるかを評価され、ファリシティドッグとして認証される仕組みです。

その他の活動内容

シャイン・オン!キッズは、約15年もの間、動物介在療法やアート介在療法をはじめとする心理社会的支援プログラムを通じ、小児がんや重い病気と闘う子どもたちとその家族をサポートしてきました。

ファシリティドッグ以外にも、以下のような活動を行っています。

支援プログラム 概要 活動内容
ビーズ・オブ・カレッジ アート介在療法 (米国Beads of Courage®より、日本で唯一展開を公認) 闘病中の子どもたちが勇気を出してつらい治療を乗り越えていく過程を、色とりどりのガラスビーズで記録していくプログラム
シャイン・オン! コネクションズ オンラインプログラム 全国のこども病院に向けてタブレット端末やプロジェクターなどを配布し、心のケアや学習サポートを行う
キャンプカレッジ キャリア学習支援 (トータルケアの一環) 小児がん経験者がリーダーとなって仲間と取り組みたいことを企画し、シャイン・オン!キッズが運営をサポート
シャイン・オン!フレンズ 小児がんサバイバーのピアサポート 小児がん経験者自らが発信・情報収集するコミュニティサイト

入院中だけでなく、病気の診断を受けたときから退院後のサポートまで、トータルでケアしているのが特徴です。

シャイン・オン!キッズの活動は、個人および企業からの支援により成り立っています。支援の形はさまざまで、実際にチーム・ビーズ・オブ・カレッジの活動に参加することも可能です。

活動に少しでも興味を持った方は、ぜひ詳細をご覧ください。

認定 特定非営利活動法人|シャイン・オン・キッズ>>

環境のミカタとファシリティドッグ

環境のミカタグループでは、社会・環境問題に向き合うなかで、未来を担う子どもたちに良い環境を残すことも重要な使命と考えています。子どもたちの笑顔が少しでも増えるようサポートしている、シャイン・オン!キッズの存在を知り、そのミッションや活動内容に共感しました。

日本初のファシリティドッグの活動が静岡県(静岡県立こども病院)で始まったことから、地元企業として地域社会に寄与したいという想いがあり、2013年からシャイン・オン!キッズのスポンサー企業として支援を始めました。※2024年現在は、ゴールドスポンサー企業となっています。

社内イベントの際には独自の募金箱を設置することで、シャイン・オン!キッズの活動を通して、子どもたちに社員の気持ちを届けています。また、静岡県立こども病院で活動するハンドラーの谷口めぐみさん、ファシリティドッグのタイくんとも親交があり、毎年オフィスにお越しいただいています。

ファシリティドッグによる入院中の子どもたちへのサポート方法についてお話を伺い、タイくんが得意とするキュー(合図)「Lap(相手の膝に前脚を乗せる)」を披露していただくなど、毎回貴重な体験となっています。

2024年12月来社時の様子

まとめ

本記事では、認定NPO法人シャイン・オン・キッズが取り組むファシリティドッグの活動と、環境のミカタとの関わりについて解説しました。

国内でファシリティドッグの活動を行っているこども病院は、2024年時点で4施設のみです。歴史が浅く情報も少ないので、この記事を通して一人でも多くの方にファシリティドッグの活動を知っていただく機会になればうれしく思います。

環境のミカタグループは、これからも地域のミカタとして、子どもたちとそのご家族もケアするファシリティドッグの活動や、子どもたちの笑顔のために尽力するシャイン・オン!キッズの事業を応援していきます。

 

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