産業廃棄物は、環境問題と切っても切れない関係にあります。
とりわけ、産業廃棄物を焼却する際に排出されるCO2は環境問題と深く関係しており、産業廃棄物に関連する業界にはCO2排出量を抑えるための取り組みが求められています。
今回は、カーボンニュートラルの概念や産業廃棄物分野でのCO2排出量の現状を解説します。
目次
1.カーボンニュートラルとは?
まずは、近年叫ばれているカーボンニュートラルとは何か、概念や背景を解説します。
カーボンニュートラルの概念
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの人為的な「排出量」と、地球上の自然による温室効果ガスの「吸収量」の差し引きを同等にする(ニュートラルにする)ことを意味します。
日本政府は、2050年までにこの排出量・吸収量の均衡化を達成し、排出される温室効果ガスを全体としてゼロにすることを目指すと宣言しました。
地球温暖化の原因とされている温室効果ガスにはいくつかの種類があり、なかでも排出量が多いといわれているのがCO2(二酸化炭素)です。
化学燃料の使用などによるCO2の排出を削減するのと同時に、吸収量を高める仕組みを作るため、森林の整備や保全も進められています。
カーボンニュートラルは全世界的な課題
温暖化対策のための新しい枠組みである「パリ協定」は、2020年以降の気候変動問題に対して具体的な目標を定めたものです。
パリ協定は、途上国を含む、すべての温室効果ガスの主要排出国を対象としているのが特徴で、気候変動が世界的な課題であることを意味します。
気候変動によって豪雨や猛暑といった異常気象のリスクが高まるだけでなく、海面上昇などの深刻な被害が起きており、特に大きな影響を受けているのが途上国です。
各国の政府や企業が中心となってカーボンニュートラルに取り組み、気候変動を食い止めなければなりません。
2.産業廃棄物分野でのCO2排出量の現状
上のグラフは、日本における廃棄物分野の温室効果ガス排出量の推移を表したものです。
2018年度の廃棄物分野における温室効果ガス排出量はCO2換算で3,782万トン。
LULUCF(CO2吸収能力を高めるための取り組みをする、土地利用、土地利用変化および林業部門)を除く総排出量の3.0%となっています。
廃棄物分野では、有機性廃棄物埋立量の削減や準好気性埋立の導入といった温室効果ガス削減への取り組みが行われており、2018年度の排出量は、2005年度比で16.3%の削減を達成しています。
廃棄物の焼却に伴うCO2の排出量は2009年以降、ほぼ横ばいになっているものの、廃棄物分野の温室効果ガス削減対策は、全体としては2030年度目標水準と同等か、それを上回るとの予測です。
産業廃棄物に関連する業界は引き続き、CO2削減に対して積極的に取り組むことが求められています。
3.環境のミカタの取り組み:RPF製造による再資源化
環境のミカタでは、カーボンニュートラルへの取り組みとして、産業廃棄物リサイクルサービスを提供しています。
なかでも、古紙や廃プラスチック類から作られる固形燃料「RPF」への取り組みは、産業廃棄物排出業者にとっても大きなメリットがあるサービスです。
ここでは、排出業者が実施できるカーボンニュートラルへの取り組みとして、RPF化のメリットをご紹介します。
カーボンニュートラルへの取り組みとして対外的にアピールできる
環境問題をはじめとした地球規模の課題に対する企業の社会的責任は、より一層強まっているといえます。
廃棄物のRPF化に取り組むことで、カーボンニュートラルへの貢献の一環として対外的にアピールできます。
さらに、廃棄物のリサイクル率の公表も可能で、企業の社会的な信用価値を高める一要素として活用できる取り組みです。
企業のブランディングに役立つ
RPFへの取り組みは、社会貢献と企業の社会的な価値向上を同時に実現できる手法です。
廃棄物は環境問題に直結するものであることから、排出業者が環境問題に向き合う姿勢が外部からの評価に大きく影響します。
新しい取り組みへ積極的にチャレンジすることが、企業のブランディングにつながるでしょう。
資金調達がしやすくなる
経済産業省や各自治体は、SDGs補助金・助成金を公募しています。
また、投資家の間では、SDGsの社会的浸透から、投資先の選定において企業のサステナビリティを重視する動きが出てきています。(EGS投資)
これらのことから、資金調達を考える上でも、RPF化によるSDGsやカーボンニュートラルへの取り組みを公表する意義があるといえるでしょう。
4.地球にやさしいRPFへのリサイクルなら環境のミカタにご相談を!
今回は、カーボンニュートラルについて解説しました。
環境のミカタは、2024年3月に、固形燃料製造施設であるアースプロテクションセンター第3工場のオープンを予定しています。
総床面積3,158.7㎡、廃プラスチックの処理能力は1日100トン。
これまで以上に大規模な処理も可能となり、RPFの生産量が大幅に拡大します。
RPFは地球温暖化対策に役立つだけでなく、産業廃棄物の最終処分量が減ることによるコストの削減やSDGsへの取り組みにつながるなど、多くのメリットがあります。
RPFに使用できる品目は以下です。「自社の排出品目が実際に使用可能か知りたい」、「コスト感やメリットをもっと詳しく聞きたい」など、どんな些細なこともで環境のミカタまでぜひお気軽にご連絡ください。
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・廃プラスチック類(PET、PP、HDPE、LDPE、ABSなど幅広いプラスチック類を使用可能)
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・紙くず
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・木くず
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・繊維くず
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・動植物性残さ